今回の記事では三菱商事を高配当株ポートフォリオに組み込むのはありかについて解説をしていきます。
日本では米国のSPYDやHDVの様な優秀な高配当ETFが無いため自分で個別銘柄を選定してポートフォリオを構築する必要があります。
今回の記事を参考に三菱商事をあなたのポートフォリオに組み込むかべきを検討してみてください。
三菱商事の過去の配当金
まずは高配当株ポートフォリオを構築するにあたり一番重要な配当金推移を見ていきます。
2010年〜2021年の配当金推移をグラフにすると下記の様になります。
2016年〜2021年までは5年連続で増配している銘柄でしたが、2022年は2021年と変わらず134円の配当金を予定しています。
これは2021-09-04現在の株価3,394円で計算をすると配当利回りは3.95%になります。
東証1部の予想平均配当利回りは2.06%と言われているので、三菱商事は高配当銘柄と言える水準ですね。
三菱商事の健康状態を確認
三菱商事が高配当銘柄と言うのが分かったところで、この三菱商事に投資する際の安全性を過去の決算数値などを見て判断してみました。
売上高 ▲ | 毎期黒字で右肩上がりではある。 しかし2019年からは若干下落傾向にあり |
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EPS ▲ | 2016年で一時マイナスに。 2017年から2019年は右肩上がり |
営業利益率 ◯ | 直近は3%以下 (卸売セクターの平均は2%以下なので比較的高めの水準) |
ROE ◯ | コロナ前は10%前後を推移し、今季は6.58%を予定 |
ROA ▲ | 直近は3%以下 (卸売セクターの平均は2%以下なので比較的高めの水準) |
自己資本比率 ▲ | 30%前後を推移 (最低40%は欲しい) |
営業活動によるCF ◯ | 不安定ではありつつも右肩上がりの傾向あり |
現金等 ▲ | 減少・増加どちらの傾向もあまり見られない |
1株あたり配当 ◯ | 2016年からは増配傾向 |
配当性向 ◯ | 基本は30%程度を推移し2021年は115%を記録したのにも関わらず増配を行う予定 |
基準値を超えられていない項目も多数ありますが、どれも惜しいといえる水準で良くも悪くもないような結果となりました。
またROAは平均でいうと5%以上は欲しいと言われることが多いですが、セクターによって基準値が大きく異なり卸売セクターの場合は2%辺りが平均値となります。
そして卸売セクターの中でも強豪の伊藤忠や住友商事と比較をしてみると下記のようなグラフになりました。
三菱商事、伊藤忠、住友商事の3つを比較すると伊藤忠商事の強さが良く分かる結果となりました。
ただ三菱商事と住友商事は平均で見るとそこまで大差が無く、一番良い伊藤忠商事でも5%を超えるROAは2010年から一度もありませんでした。
以上の各種指標を踏まえると飛び抜けて良い銘柄とは言えませんが、決して悪い銘柄でも無いというのが結論となります。
三菱商事は株主還元に積極的な企業なのか
高配当株ポートフォリオを構築する上で企業の株主還元の姿勢を確認しておくことはとても重要です。
なぜならいくら業績が良くて安定している企業でも、株主還元が低いと配当金も期待出来ず、少し業績が悪くなるだけで減配や無配になる可能性も大きくなるためです。
三菱商事のホームページの配当情報の項目には株主還元について下記のような記載がありました。
『中期経営戦略2018』において、株主還元は配当を基本とし、減配せずに利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を方針として掲げました。2019年度より開始された『中期経営戦略2021』においても、「累進配当」の方針を継続致します。
「減配せずに利益成長に合わせて増配していく」
とても安心出来る姿勢ですね。
コロナの影響を受けた2021年3月期の時でも配当性向115.82%という辛い数値を出しながらも、減配をしなかった企業です。
これからも余程のことが無い限り三菱商事は減配せずに、安定した配当金を出してくれる事が期待できそうです。
三菱商事を高配当株ポートフォリオに入れるのはあり
今回の記事では三菱商事が高配当株ポートフォリオに入れるのはありかを見てきました。
決算数値を見ると弱い部分も若干ありますが、以下の3点から三菱商事をポートフォリオに入れるのはありだと言うのが僕の考えとなります。
- 2021-09-04現在で3.95%という高利回り
- 財務指標も決して悪くはない
- 株主還元姿勢も好印象
三菱商事は景気敏感な銘柄ではあるので不景気には弱いと言った側面もあります。
このことを頭の片隅に入れておき、高配当株ポートフォリオを程よく分散させることを忘れないように運用していきましょう。
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