日本航空(9201)の2021年8月期 第1四半期決算が2021年8月3日の15時に発表予定となります。
今回の記事では決算前のファンダメンタル、テクニカル分析を元に個人的な見解を入れつつ、今後の見通しについてまとめています。
最後にはJAL日本航空をポートフォリオに組み込むべきかも記載しているので、ぜひ最後まで御覧ください。
JAL日本航空の前回の決算
現在の株価などを見る前にまずは前回のJALグループ2021年3月期連結業績決算の数値を振り返ってみます。
連結経営成績 (累計)
(▲はマイナス)
2020年3月期 | 2021年3月期 | |
---|---|---|
売上高 | 1兆3859億 | 4812億2500万 |
営業利益 | 861億300万 | ▲3904億1400万 |
経常利益 | 884億7100万 | ▲4068億5400万 |
当期純利益 | 480億5700万 | ▲2866億9300万 |
1株辺り純利益 (EPS)
(▲はマイナス)
1株辺り純利益 | |
---|---|
2020年3月期 | 140.07円 |
2021年3月期 | ▲764.99円 |
ROE(自己資本利益率)
ROE | |
---|---|
2020年3月期 | 5.07% |
2021年3月期 | 赤字 |
自己資本比率
自己資本比率 | |
---|---|
2020年3月期 | 51.2% |
2021年3月期 | 45% |
JAL日本航空の株価
2021年3月期の決算が発表された2021年5月7日から2021年7月末現在の株価は下記の様に推移しており、2021年7月25日の株価は2,281円です。
2021年3月期の決算は前の項目でも見た様に赤字だらけの決算でした。
しかし決算発表からの下落は殆ど無かった事から、決算予想の数値などから赤字である事が株価に織り込み済みだったと推測出来ます。
また5月中旬から6月中旬までで2,300円から2,700円付近まで上がっていますが、これはコロナが徐々に落ち着いてきた事による伸びで、日本の株式市場が全体的に回復している局面でした。
しかしコロナ第4派などの話が上がり、想定以上にコロナの完全収束まで時間が掛かっている事から7月の株価は再び下落局面になっているというのが現状です。
ポートフォリオに入れるのはありか
最後にJAL日本航空(9201)をポートフォリオに組み込むのはありかについてですが、個人的には長期投資としてはありだと考えています。
その理由を下記の3つの項目で見ていきます。
- ファンダメンタルズ分析
- テクニカル分析
- 配当金・株主優待
ファンダメンタルズ分析
JAL日本航空は2021年3月期の決算では大赤字を出しましたが、それでも自己資本比率が優良企業の基準とされる40%を超える45%となっており、財務状況的には全く問題がない安定している企業と言えます。
このROE40%と言う基準値は業種によって異なりはしますが、同じ業種のANAホールディングス(9202)は31.4%なので優良企業と見て問題はないでしょう。
またファンダメンタルズ分析の収益性でよく利用されるROEとROAに関しては、コロナが来る前の2019年3月期から2021年3月期までは下記のように推移しています。
ROE | ROA | |
---|---|---|
2019年3月期 | 14.49% | 7% |
2020年3月期 | 5.07% | 2.42% |
2021年3月期 | – | – |
基準値はそれぞれROEは10%、ROAは5%と言われており2019年3月期はどちらも良い数値を出せていました。
2020年はコロナの影響もあり少し打撃を受けたこともありますが、仮にコロナが無かったっとしても基準値には届かなかったのではないかなと推測します。
以上のファンダメンタルズ分析を踏まえると、JAL日本航空(9201)は飛び抜けて良い銘柄とは言えないが、財務的には安定している銘柄と言えます。
テクニカル分析
続いてチャートを見て分析していきます。
下記のチャートは2020年8月から2021年7月までのチャートです。
グラフの①と②のラインはそれぞれ上値抵抗線で2,749円と2,590円のところに存在しています。
2021-07-26現在で株価は2,298円なのでまずは②のラインを超えたいところではありますが、MACDやRSIなどのインジケーターはどれも下落トレンドに入っている状態です。
また2021年3月中旬から7月現在までのチャートで見ると、米国市場では人気の高いチャートパターン、「カップウィズハンドル」を形成しつつありました。
カップウィズハンドルではカップの取っ手の部分を形成した後に、カップの縁部分を超えれば一気に上昇するチャートパターンです。
今回のJAL日本航空は取っ手部分は形成したものの、7月上旬も株価が下落してしまいカップウィズハンドルの形成は失敗に終わっています。
以上の内容を踏まえるとチャート的には株価が上がる様な状態ではないので、短期投資は少し危険と言う分析結果になります。
一方長期目線で見ると、コロナが落ち着けば当然旅行する人も増えるので飛行機を利用する人は増えます。
下記のチャートは2019年10月から現在までのチャートです。
コロナ前の株価の水準と今の株価を比較すると30%も差があることが分かると思います。
これは言い換えるとコロナが落ち着いてまた飛行機を利用する人が増えれば、30%以上株価が上がる可能性を秘めているとも言えます。
コロナが起こる前と今の働き方を比較するとオンライン会議なども一般的になってきた事により、出張などで飛行機を利用する人は減ったかもしれません。
しかしそれでも0になることはなく、何より旅行などの娯楽で飛行機を利用する人は間違いなくいます。
以上の理由からコロナから復活するタイミングで株価はコロナ前の水準まで戻す可能性が高いので長期投資はありだと思います。
日本航空の配当金と株主優待
実はJAL日本航空は2018年3月期から2020年3月期までの3年間は連続増配銘で、配当利回りに2%から3%ほどありました。
しかしそれが2021年は大赤字により配当金が廃止されました。
業績が回復すればまた配当金を再開する可能性は高く、赤字の今でも100株以上保有していると、JALグループの国内定期航空路線片道1区間が50%割引になる株主割引券も配布しています。
配当金や株主優待はおまけ的な要素ではありますが長期目線で投資をするには地味に嬉しい内容ですね。
JAL日本航空は長期投資銘柄の候補
今回はJAL日本航空の前回の2020年3月期の決算数値をはじめ、現在の株価や各種分析を行い、ポートフォリオに組み込むのはありかを見てきました。
飛行機での移動手段は少なくとも僕らが生きているうちは無くならないでしょう。
2021年8月3日に発表される四半期決算はほぼ赤字だとは思いますが、僕らの予想を下回る赤字の額であれば株価を上げてくる可能性は高いはずです。
四半期決算発表後にはまた数値を振り返るための記事を書いていこうと思います。
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