ガストやバーミヤンを経営する事で有名なすかいらーくホールディングスの2021年12月期第2四半期決算が公式ホームページにて公開されました。
今回の記事ではその決算書の情報を元に個人的な見解を入れつつ、今後の見通しについてまとめています。
最後にはすかいらーくホールディングスをポートフォリオに組み込むのはありかも記載しているので、ぜひ最後まで御覧ください。
すかいらーくホールディングス2021年12月期 第2四半期決算の数値
2021年12月期第2四半期の決算は良い決算内容でした。
連結業績
(%表示は、対前年同四半期増減率)
(▲はマイナス)
2021年第2四半期 | 2020年第2四半期 | |
---|---|---|
売上高 | 1265億5500万円 (▲8.9%) | 1390億6600万円 (▲25.8%) |
営業利益 | 4億5900万円 | ▲180億8000万円 |
四半期純利益 | ▲5億500万円 | ▲189億2800万円 |
1株辺り純利益 (EPS)
(▲はマイナス)
1株辺り四半期純利益 | |
---|---|
2021年12月期第2四半期 | ▲2.51円 |
2020年12月期第2四半期 | ▲95.83円 |
連結財政状態
総資産 | 純資産 | 自己資本比率 | |
---|---|---|---|
2021年 第2四半期 | 4537億4200万円 | 1565億8300万円 | 34.5% |
2020年12月期 | 4416億7200万円 | 1137億6100万円 | 25.8% |
連結業績予想
2021年1月1日〜2022年12月31日までの連結業績予想
通期 | |
---|---|
営業収益 | 2850億円 |
営業利益 | 50億円 |
EPS | 2.03円 |
2021年2月に発表された2020年12月期決算では営業収益を3100億円としており、それを2021年5月に2850億円に引き下げを行いましたが、今回は業績予想の修正は無しとなっています。
売上は下がっているのになぜ利益は上がっているのか
今回のすかいらーくの決算を見ると、前年同期比でみると売上高は下がっているのに対して利益が黒字になっていると言う点に少し疑問を持った方もいると思います。
これは決算書によると下記の様な販売管理費を削減したことによるところがあります。
- 深夜営業廃止による固定人件費や水道光熱費の低減
- 従業員賞与や役員報酬の減額
- プロモーション費用の低減
- デジタルメニューブックの導入などによる店舗生産性の向上
- 株主優待コストの低減
- 本部経費の削減
- 食材や商品のモジュール化で1原料当たり のボリュームを増やすことによる仕入れ単価の引き下げや自社工場の製造ライン生産性の向上
株主優待が改悪されたことが少し前に話題になっていたので、こちらに関しては知っていたという方も多いのではないでしょうか。
上記のような削減を行うことにより2020年対比で約59億円のコスト削減を行い、これが利益をプラスに出来た大きな要因とされています。
今後のすかいらーくの株価は上がるのか
5月のタイミングでは業績予想の下方修正が行われ、今回は予想を上回る結果を出したすかいらーくの株価はこれから上がっていくのか気になると思います。
先に結論を書いておくと短期的に上がる可能性はありますが、長期はコロナ次第という状況です。
ファンダメンタル分析
PERの目安は15倍、PBRとの目安は1倍が基準と言われている中、すかいらーくの予想PERは833.23倍、PBRは2.13倍となっておりかなり割高感が出ている数値となっています。
このPERの値を少し深堀りしてみると、2016年から徐々にPERが上がり、2019年時点では44.41倍でした。
2021年 | 833.23倍 (予想) |
---|---|
2020年 | 赤字 |
2019年 | 44.41倍 |
2018年 | 29.89倍 |
2017年 | 20.2倍 |
2016年 | 16.5倍 |
2015年 | 20.17倍 |
2014年 | 24.39倍 |
またROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)がそれぞれ10%と5%が基準言われている中、すかいらーくの2021年度のROEは0.26、ROAは0.09%を予定しています。
あくまで予定なので実際はどうなるかわかりませんが、ぎりぎり黒字に転換出来そう…という状況なのが分かりますね。
自己資本比率は2019年時点では29.3%、2018年時点では39.5%を付けている中、2021年の予想値は34.5%を予定しているのでこちらは問題なさそうです。
テクニカル分析
2021年8月16日現在の株価は1,530円で前日の終値から4.44%暴騰しました。
この大きな上げは今回の利益が黒字に転換していたことによる影響が大きいと見れます。
またチャート的には50日移動平均線をちょうど抜けてくる形となりました。
続いてRSIですが下記は2021年1月〜2021年8月現在までのRSIのグラフになります。
RSIの8月16日現在の数値は59.34で上昇トレンドと言われる50を超えてくる結果となりました。
そして更にMACDは8月11日から上にクロスしており、金曜日から完全に上に抜いてきている状況となります。
上昇トレンドになった場合にどこまで株価が上がるかですが、現状のすかいらーくのチャートではレジスタンスライン(上値抵抗線)となりうるところが細々と存在しており、近い所だと1531円、1535円、1542円に存在しています。
そして、もう少し大きめのところで見ると2020年10月中旬の高値である1,564円、そして2021年6月9日の高値である1,653円を超えられるかに注目して行くと良いと思います。
ポートフォリオに入れるのはありか
最後に今のすかいらーくホールディングスをポートフォリオに入れるのはありかについてですが、結論から言うと株主優待がどうしても欲しい場合以外は入れなくても良いと考えています。
以前紹介したマクドナルドホールディングスと同じですね。
今回のすかいらーくの決算内容は予想を上回る良い決算でしたが、ファンダメンタル的にはまだまだ手を出しにくい銘柄となっています。
またチャート的に見ると短期では上昇トレンドに入りつつあり、もし仮にコロナが落ち着いたら2020年3月付近の株価である2,000円近くまで戻す可能性はあります。
しかし現状も感染者数が多い中、すぐにコロナ前の水準に戻す可能性は低いと言えるでしょう。
そしてこのすかいらーくホールディングスは株主優待目当てで購入されていた方もかなり多いと思いますが、2020年9月に株主優待が改悪されてから利回りは3.5%超えから2.6%程度に激減してしまいました。
更にすかいらーくは配当金も出していないので、これらを踏まえるとこの銘柄を購入する旨味はそこまで無いのかなと考えています。
またこの程度の利回りであれば配当利回り3%以上を超える日本電信電話、三井住友銀行などの大企業でキャピタルもインカムゲインも狙っていくほうがリターンが期待出来ると思います。
以上の内容を踏まえた上でポートフォリオに入れるかの最終的な判断はあなた自身で決めてみてください。
今回の記事は以上となりますが、少しでも記事が良いなと思ったら下記のボタンをポチッとして応援お願いします✨