いまの日本で聞いたことがない人はいないと言っても過言ではない通信事業を主体とする大企業、NTT日本電信電話の2022年3月期第1四半期決算が公式ホームページにて公開されました。
今回の記事ではその決算書の情報を元に個人的な見解を入れつつ、今後の見通しについてまとめています。
最後にはNTTをポートフォリオに組み込むのはありかも記載しているので、ぜひ最後まで御覧ください。
NTT 2022年3月期 第1四半期決算の数値
2022年3月期第1四半期の決算は可もなく不可もなしと言う決算内容でした。
連結業績
(%表示は、対前年同四半期増減率)
(▲はマイナス)
2021年度第1四半期 | 2020年度第1四半期 | |
---|---|---|
営業収益 | 2兆8925億7000万円 (4.6%) | 2兆7664億5700万円 (▲5.1%) |
営業利益 | 4862億7400万円 (▲2.3%) | 4975億8600万円 (▲1.5%) |
四半期利益 | 3399億8700万円 (24.7%) | 2726億3800万円 (▲2.8%) |
1株辺り純利益 (EPS)
(▲はマイナス)
1株辺り四半期純利益 | |
---|---|
2022年3月期第1四半期 | 93.87円 |
2021年3月期第1四半期 | 73.51円 |
連結財政状態
総資産 | 純資産 | 自己資本比率 | |
---|---|---|---|
2021年度 第1四半期 | 23兆825億3200万円 | 8兆3829億1800万円 | 33.5% |
2020年度 | 22兆9654億9200万 | 8兆2030億4300万円 | 32.9% |
連結業績予想
2021年4月1日〜2022年3月31日までの連結業績予想
(▲はマイナス)
通期 | |
---|---|
営業収益 | 12兆円 |
営業利益 | 1兆7300億円 |
EPS | 302.00円 |
業績予想の修正は今回は無しです。
連結業績予想の達成率
連結業績予想と第1四半期の数値を元に割り出したそれぞれの達成率は下記の様になります。
営業収益 | 24.13% |
---|---|
営業利益 | 28.1% |
EPS | 31.08% |
四半期が終わった時点の達成率という形で見ると営業収益(売上)が25%を下回っているので目標値を達成出来るかギリギリのラインとなります。
また営業利益とEPSは25%を上回っており、このまま順調に行けば十分に目標を達成出来る数値です。
配当金はこれからも維持出来そうか
日本電信電話の現在の配当利回りは3.92%となっており配当金目当てで投資されている方も少なくないと思います。
配当金が今まで通り、または増配などが出来るような企業なのかを判断するには、利益の何%が配当金に回っているかを表す「配当性向」に注目するのが一番簡単です。
そして日本電信電話2021年度の予定配当性向は39.13%となっており、予定配当金額は105円です。
一株配当 | 配当性向 | |
---|---|---|
2021年度 | 105円 | 39.13% |
2020年度 | 95円 | 41.49% |
2019年度 | 90円 | 36.7% |
2018年度 | 75円 | 30.23% |
2017年度 | 70円 | 30.99% |
2011年から10年連続増配をしているNTTはコロナ渦における2020年度でも配当性向が42%とかなり余裕のある形で配当金を出していました。
そして2021年度は40%を下回る配当性向となっているため今年度も決して無理のある形で維持している訳ではなさそうなので安心です。
また肝心の利益に関しては「リモートワールド」実現の取り組みとしている下記の3つを軸に、大企業らしからぬ攻めの姿勢で今後も期待が出来そうです。
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今後のNTTの株価は上がるのか
決算の内容としては可もなく不可もなしと言った感じですが、株価は果たして上がるのだろうか…というのが気になると思います。
先に結論を書いておくと、現在のNTT 日本電信電話の株価は過去の暴落時を踏まえてもかなり割安な状態です。
また現在の株価チャートは上昇トレンドに転換しそうなタイミングではあるので、買いを入れるのはありだと思います。
また長期投資としては先にも述べたように安定して4%近い配当利回りが見込めるので、高配当株ポートフォリオの銘柄として購入するのも選択肢としてはありです。
ファンダメンタル分析
PERの目安は15倍、PBRとの目安は1倍が基準と言われている中、日本電信電話の予想PERは9.38倍、PBRは1.32倍となっており、割安感がある銘柄となっています。
このPERの値を少し深堀りしてみると、過去のPERと比較しても過去一で割安となっています。
2021年度 | 9.38倍 |
---|---|
2020年度 | 11.45倍 |
2019年度 | 10.68倍 |
2018年度 | 10.89倍 |
2017年度 | 12.16倍 |
2016年度 | 13.84倍 |
2015年度 | 15.62倍 |
2014年度 | 11.04倍 |
2013年度 | 10.41倍 |
2012年度 | 10.63倍 |
2011年度 | 10.62倍 |
2010年度 | 12.60倍 |
またROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)がそれぞれ10%と5%が基準言われている中、NTTの2021年度のROEは14.03、ROAは4.7%を予定しています。
あくまで予定なので実際はどうなるかわかりませんが、この2つの数値も過去一で高い数値となる見込みです。
自己資本比率は安定の40%付近を推移しているのでこちらも安心が出来る数値となっています。
テクニカル分析
2021年8月10日現在の株価は2,852円で前日の終値から1.53%上昇しました。
今日は窓を開けた大きな上昇し一時は2,884円まで上がりましたが、最終的にはそこから32円下げた2,852円が終値となりました。
こちらは決算の内容を受けた上昇と言うよりは、決算発表と同日に発表された2,500億円相当の自社株買いを今年度執行予定の公表があったのでその影響による上がりが強そうです。
続いてRSIですが下記は2020年3月〜2021年8月現在までのRSIのグラフになります。
RSIの8月10日現在の数値は50.76で上昇トレンドと言われる50を超えてくる結果となりました。
そして更にMACDも上にクロスしそうな状況なので、テクニカルチャート的に見るとこれから上昇トレンドに移行しそうな状況です。
上昇トレンドになった場合にどこまで株価が上がるかは2920円、2960円、3,000円付近にレジスタンスラインが存在するので、ここを超えられるかが注目ポイントとなります。
逆に下げた場合は2,800円、2,750円、2,665円付近にサポートラインが存在し、更に200日移動平均線が2,725円付近を推移しているので、ここをクロスするかも注目ポイントとなりそうです。
ポートフォリオに入れるのはありか
最後に今の日本電信電話をポートフォリオに入れるのはありかについてですが、個人的には「あり」だと考えています。
ファンダメンタル分析で見たNTTをは安定して成長している銘柄でかつ割安。
そしてテクニカル分析で見たNTTは現在上昇トレンドに移行しつつある銘柄です。
まだ完全に上昇トレンドになった訳ではないので、上昇トレンドに転換してからの購入も決して遅くはないと思います。
またNTTは短期投資、長期投資どちらで購入するのもありですが、個人的には淡々と積み上げて配当金の様なインカムゲインを受け取るのが好きなので、長期目線で高配当株ポートフォリオに組み込みたいところです。
今回の記事を踏まえた上でポートフォリオに入れるかの最終的な判断はあなた自身で決めて行きましょう。
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