こんな疑問を解消して行きます。
SPYDは米国ETFの中でも配当利回りに重視しており、米国の高配当株ポートフォリオの主役を担うと言っても過言ではない銘柄です。
今回の記事ではSPYDの基礎知識から、投資するべきかの判断になるような知識まで網羅的に解説するので、ぜひ最後までお付き合いください。
SPYDとは
SPYDとは米国の代表的な企業500社の中から利回りが高い80銘柄に投資するETFです。
シンボル | SPYD |
---|---|
設立日 | 2015年10月21日 |
運用会社 | State Street社 |
保有銘柄数 | 80 |
ベンチマーク | S&P500指数の採用銘柄のうち、配当利回りが高い80銘柄 |
経費率 | 0.07% |
基準価額 | $42.11 (2021-06-15時点) |
利回り | 4.46% (2021-06-15時点) |
よく比較対象となる米国ETFのHDVは財務優良という部分に重きを置いた銘柄構成ですが、このSPYDはより利回りを重視した構成となっています。
またHDVと大きく違うところとして、このSPYDは投資銘柄80社に対してほぼ均等に投資がされています。
詳しい割合は次以降の項目にて記載します。
SPYDの構成銘柄
2021-06-15時点でSPYDの構成銘柄の中で比率が高い10社は下記のようになっています。
銘柄 | 保有比率 | セクター |
---|---|---|
Seagate Technology Holdings PLC (STX) | 1.66% | 情報技術 |
Iron Mountain Inc. (IRM) | 1.62% | 不動産 |
ConocoPhillips (COP) | 1.52% | エネルギー |
Regency Centers Corporation (REG) | 1.50% | 不動産 |
Marathon Petroleum Corporation (MPC) | 1.48% | エネルギー |
Federal Realty Investment Trust (FRT) | 1.47% | 不動産 |
Valero Energy Corporation (VLO) | 1.47% | エネルギー |
Invesco Ltd. (IVZ) | 1.47% | 金融 |
Simon Property Group Inc. (SPG) | 1.46% | 不動産 |
Interpublic Group of Companies Inc. (IPG) | 1.46% | 情報技術 |
セクター別
SPYDの構成銘柄をセクター別に集計すると下記になります。
SPYDのセクター割合を多く占めるのは金融、不動産、エネルギーで、この3セクターで50%以上を占めています。
またよく比較対象となるHDVはエネルギー、ヘルスケア、生活必需品がメインとなっているので、SPYDとHDVをセットで購入しておくと程よくセクターが分散されたポートフォリオが完成します。
SPYDの配当金はいつで、年に何回もらえるのか
SPYDの配当金は年に4回分配され、直近では下記の様なスケジュールとなっています。
配当月 | 権利落ち日 | 1株辺りの配当金 |
---|---|---|
2021年6月 | 2021年6月18日 | ??? |
2021年3月 | 2021年3月19日 | $0.636 |
2020年12月 | 2020年12月18日 | $0.607 |
2020年9月 | 2020年9月18日 | $0.264 |
2020年6月 | 2020年6月19日 | $0.366 |
2020年3月 | 2020年3月20日 | $0.396 |
2019年12月 | 2019年12月20日 | $0.497 |
2019年9月 | 2019年9月20日 | $0.448 |
2019年6月 | 2019年6月21日 | $0.462 |
2019年3月 | 2019年3月15日 | $0.339 |
過去のSPYDの配当金推移
SPYDに投資するメリット
- 長期投資にも嬉しい低コスト(経費率: 0.07%)
- 右肩上がりの配当金で安定的なインカムゲインを得られる
- 高い配当利回り
SPYDに投資するデメリット
- 短期で大きく勝ちたい人には向いていない
- 景気敏感株の割合が多いため不況に弱い
SPYDはHDVと同様にコツコツと長期投資でゲインを狙っていくタイプのETFです。
短期間で大きな利益を得たい場合はSPYDの様なETFは向いていないので別の銘柄購入を検討しましょう。
またSPYDは比較的不況に弱いという特徴があります。
下記のグラフはコロナショック時のSPYDの週足チャートなのですが、僅か1ヶ月で44%も暴落しました。
一方HDVの方ではヘルスケアや生活必需品が多く組み込まれているため、SPYD程は下落せず、32%程度の下落となりました。
この様に組み込まれている銘柄が景気敏感株かどうかで、不況時には下落率が大きく変わります。
投資をする際にはその時の株価だけでなく、不況時にはチャートがどの様に動きそうかも意識しながら購入すると良いでしょう。
SPYDは初心者にもおすすめ出来るETF
SPYDは不況に弱いという特徴はありつつも、米国を代表する500銘柄のうち、利回りが高い80銘柄に投資できる高配当ETFです。
HDVと比較して約1%ほど配当利回りが高いので、例えば同じ金額をHDVとSPYDに投資していた場合、SPYDの方が年間で1万円高い配当金を得ることが出来ます。
(税金の計算は一旦無視した場合)
これは投資金額が大きければ大きいほど金額に差が出ます。
またHDVと同様に年に4回の配当金分配があるので、定期的なインカムゲインを獲得したい方にもおすすめできる銘柄です。
日本ではSPYDの様なETFが存在しないので、SBIネオモバイル証券などを活用して自分で高配当株ポートフォリオを組む必要があります。
しかし米国投資であれば今回のSPYDを購入するだけでセクター分散されたポートフォリオが手に入り、定期的に配当金も得ることが出来るのが素晴らしいですね。
今回の記事で度々登場したHDVとは投資銘柄のセクター(業種)の傾向が異なるので、SPYDとHDVの両方に投資をする方も非常に多いです。
HDVの購入も検討されている方は下記の記事を参考にしてみてください。
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