今回の記事ではJTこと、日本たばこ産業(2914)を高配当株ポートフォリオに組み込むのはありかについて解説をしていきます。
日本では米国のSPYDやHDVの様な優秀な高配当ETFが無いため自分で個別銘柄を選定してポートフォリオを構築する必要があります。
今回の記事を参考に日本たばこ産業をあなたのポートフォリオに組み込むかべきを検討してみてください。
日本たばこ産業の過去の配当金
まずは高配当株ポートフォリオを構築するにあたり一番重要な配当金推移を見ていきます。
2014年12月期〜2021年12月期(予定)の配当金推移と配当性向をグラフにすると下記の様になります。
2014年〜2019年までは順調に増配を続けていた日本たばこ産業ですが、2020年にコロナの打撃を受け配当金は増配できず維持。
そして2021年には初めての減配を行い、2016年の時と同等の1株配当130円となる予定です。
2021年の一株配当を130円に下げたとしても予想配当性向が84.8%なので、この減配は妥当な判断と言えそうです。
またこれまでも比較的高い配当性向を維持してきましたが、日本たばこ産業の様な企業は配当性向が高い傾向にあるので70%〜80%ぐらいを目安とするのが良いでしょう。
予想配当利回りは2021-09-09現在の株価2,193.0円で計算をすると、5.94%でかなりの高利回りとなります。
東証1部の予想平均配当利回りは2%強と言われているので、減配したとは言え日本たばこ産業はかなりの高配当銘柄と言える水準ですね。
日本たばこ産業の健康状態を確認
日本たばこ産業が高配当銘柄と言うのが分かったところで、この日本たばこ産業に投資する際の安全性を過去の決算数値などを見て判断してみました。
売上高 ▲ | 2011年〜2020年の売上高は2兆〜2.4兆円を推移し横ばい |
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EPS ▲ | 2015年の270.54円をピークに下落気味で2021年は153.28円を予定 |
営業利益率 ◯ | 最低10%は欲しい営業利益率だが、日本たばこ産業は安定の20%超えでかなり高い営業利益率を誇る |
ROE ◯ | 2015年から下落傾向あり。しかし2021年12月期は9.76%を予定しており、決して悪い数値ではない |
ROA ◯ | 2015年から下落傾向あり。しかし2021年12月期は4.91%を予定しており、決して悪い数値ではない |
自己資本比率 ◯ | 45%以上を推移し安定 |
営業活動によるCF ◯ | 2016年から少しずつ上昇傾向にあり |
現金等 ◯ | 2016年から少しずつ上昇傾向にあり |
1株あたり配当 ◯ | 2021年に初の減配を実施。それまでは順調な右肩上がり |
配当性向 ◯ | 2020年は90%弱までいったがコロナが落ち着けば回復見込みあり |
2020年、2021年はコロナの影響を受けて各種数値が悪い方向へと進みつつありますが、それでも非常に持ちこたえている強い企業と言えます。
日本たばこ産業は株主還元に積極的な企業なのか
高配当株ポートフォリオを構築する上で企業の株主還元の姿勢を確認しておくことはとても重要です。
なぜならいくら業績が良くて安定している企業でも、株主還元が低いと配当金も期待出来ず、少し業績が悪くなるだけで減配や無配になる可能性も大きくなるためです。
日本たばこ産業は以前までは増配を続けていましたが、2020年は維持、2021年は減配を予定しています。
更に2021年2月9日に発表された2020年度の通期決算短信(p.4)では下記のような記載がありました。
資本市場における競争力のある水準として「配当性向75%」を目安とする
今まで80%以上の配当性向を打ち出してきた日本たばこ産業なので、上記の内容だけを見ると頭打ちかの様に見えるかもしれません。
しかしここまで配当性向を高く維持する企業は他にあまり無く、日本たばこ産業は配当金の他に株主優待も実施しているので、株主還元意識はかなり高いと言えそうです。
日本たばこ産業は増配の可能性もあり
前の項目ではこれからの日本たばこ産業は「配当性向75%」を目安としていることを記載しました。
ここで再度、過去から現在までの配当金と配当性向の推移を見てみましょう。
2021年の予想配当性向は84.8%で決算短信に記載があった75%を上回っている状況です。
つまり2022年が2021年と同じ進捗をした場合、2022年はさらなる減配が発生する可能性があるという事になります。
また減配するの…?と不安になりますが、実は2021年12月期 第2四半期までのEPSを見てみるとその心配は払拭されます。
2021年の第1四半期〜第2四半期までの合計で127円のEPSを確保している状況となります。
そして2021年の予想配当金は130円だったので、既にその分の殆どを稼いでいる状態です。
また2020年と2019年の第3四半期から第4四半期は合計で60円〜70円程度だった実績を踏まえると、2021年のESPは190円から200円付近まで行く可能性が高いです。
仮にEPSが190円まで言った場合に130円の配当金を出すと下記の式になり、配当性向は68.42%となります。
配当性向(68.42%) = 130 ÷ 190 × 100
更に減配をせずに2021年も154円の配当金を出すとなった場合は下記の式になり、配当性向は81.05%となります。
配当性向(81.05%) = 154 ÷ 190 × 100
2020年は減配をせずに154円を維持し、配当性向が88.1%だったことを考えると、2021年も減配しなくてよかったのでは?と思っている投資家も多いと言う状況です。
更に配当性向75%を目安と言っているのに対し、このままいけば配当性向が68%程度で着地しそうなので、増配があるのでは?と期待している投資家も多いといえるでしょう。
日本たばこ産業を高配当株ポートフォリオに入れるのはあり
今回の記事では日本たばこ産業が高配当株ポートフォリオに入れるのはありかを見てきました。
下記の理由から、日本たばこ産業を高配当株ポートフォリオに組み込むのはありだと僕は考えています。
- 2021-09-09現在で5.94%という高利回り
- 各種指標も大きな問題がなく仮に減配したとしても高配当に変わりはないレベル
- 第2四半期までのEPSを踏まえると増配の兆しもあり
最近は少しずつ価格が上がりつつあるので、以前までは6%を超えていた配当利回りも5%台になった日本たばこ産業。
まだまだ高配当に変わりはないので、頃合いを見て買い増しをしていこうと思います。
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