ペッパーフードサービスの2021年12月期第2四半期決算が公式ホームページにて公開されました。
今回の記事ではその決算書の情報を元に個人的な見解を入れつつ、今後の見通しについてまとめています。
最後にはペッパーフードサービスをポートフォリオに組み込むのはありかも記載しているので、ぜひ最後まで御覧ください。
ペッパーフードサービス2021年12月期 第2四半期決算の数値
2021年12月期第2四半期の決算は赤字縮小はされたものの良い決算とは言えない内容でした。
連結業績
2020年12月期第3四半期から非連結での業績を開示しているため、2020年12月期第2四半期の経営成績(累計)及び対前年同四半期増減率については記載していないとのこと。
(▲はマイナス)
2021年第1四半期 | 2020年第1四半期 | |
---|---|---|
売上高 | 93億8400万円 | – |
営業利益 | ▲8億2700万円 | – |
経常利益 | ▲1億8400万円 | – |
四半期純利益 | ▲1億8300万円 | – |
1株辺り純利益 (EPS)
2021年12月期第2四半期の「潜在株式調整後1株当たり四半期純利益」については、潜在株式は存在しているものの1株当たり四半期純損失であるため記載していないとのこと。
(▲はマイナス)
1株辺り四半期純利益 | |
---|---|
2021年12月期第2四半期 | ▲5.21円 |
2020年12月期第2四半期 | – |
連結財政状態
総資産 | 純資産 | 自己資本比率 | |
---|---|---|---|
2021年 第2四半期 | 124億4200万円 | 26億9600万円 | 20.6% |
2020年12月期 | 144億4600万円 | 4億5500万円 | 2.0% |
連結業績予想
2021年1月1日〜2021年12月31日までの連結業績予想
通期 | |
---|---|
売上高 | 191億7400万円 (▲38.3%) |
営業利益 | 13億2300万円 (-) |
経常利益 | 1億3000万円 (-) |
当期純利益 | 6100万円 (-) |
EPS | 1.73円 |
直近に公表されている業績予想からの修正は無し
業績予想値と実績値に差異が発生
2021年2月12日に公表された2021年12 月期第2四半期累計期間(2021 年1月1日~2021年6月30日)において、業績予想値と実績値に差異が発生したことによる修正が公表されました。
(▲はマイナス)
前回発表予想 | 実績 | |
---|---|---|
売上高 | 105億5900万円 | 93億8400万円 |
営業利益 | ▲8億6600万円 | ▲8億2700万円 |
経常利益 | ▲2億2000万円 | ▲1億8400万円 |
四半期純利益 | ▲3億8100万円 | ▲1億8300万円 |
EPS | ▲15.86円 | ▲5.21円 |
上記の内容をまとめると、売上高は予想を下回ったが、利益やEPSに関しては予想値よりも良い数値が結果として出た状況となります。
売上高が予想を下回った要因としてはコロナによる3回目の緊急事態宣言が発令されたため、緩やかに景気が回復するという予想が外れたことによる影響が大きいとされています。
そして売上高が下がる一方で利益が予想よりも良い結果だった要因としては、本部及び店舗の経費見直しを行う事で販管費などを削減できたことによるものが大きいとのこと。
今後のペッパーフードサービスの株価は上がるのか
今回の決算では数値そのものは良くはありませんでしたが、赤字幅が縮小されたと言うことでこれから期待する方も増えてくると思います。
そんな可能性があるペッパーフードサービスの株価は上がっていくのかが気になると思います。
先に結論を書いておくとファンダメンタル的にはまだまだ危険な水準で、テクニカル的にも下落トレンドのサインという状態です。
短期では上がる可能性はありますが、長期的には上がるとはとても言いづらい状態です。
ファンダメンタル分析
PER・PBRを分析
PERの目安は15倍、PBRとの目安は1倍が基準と言われている中、ペッパーフードサービスの予想PERは229.36倍、PBRは5.45倍となっており日本の平均で見るとかなり割高感が出ている数値となっています。
このPERの値を少し深堀りするために2010年から2021年度の予想値までをグラフにすると下記のようになります。
日本の平均が15倍とされている中、ペッパーフードサービスのPERは過去11年で15倍を下回ったことがなく、好調だった2013年から2014年の間でも18倍付近を推移していました
ROE・ROAを分析
次にROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)を見ていきます。
それぞれ基準値が10%と5%と言われている中、ペッパーフードサービスの2021年のROEは2.38%、ROAは0.49%を予定しています。
過去分を含めたROEとROAをグラフにすると下記の様になります。
ROE、ROAどちらも2017年までは良かったですが、それ以降は赤字続きであまり芳しくない数値となっています。
自己資本比率を分析
今回の自己資本比率は公表されておらず、第2四半期時点の自己資本比率は20.6%を予定しており、目安とされる40%よりも少ない数値となっています。
しかし過去のペッパーフードサービスの自己資本比率と比べると徐々に安定していた頃の水準に戻しつつあります。
テクニカル分析
2021年8月25日現在の株価は357円で前日の終値から0.56%上がりました。
決算が公開された8月13日から8月20日までは株価を下げ、そこから徐々に回復してきたという状況です。
ちょうど200日移動平均線に支えられて反発した様にも見えるので、今後もこの200日移動平均線を下回らないかを注視しておく必要がありそうです。
続いてRSIですが下記は2021年1月〜2021年8月現在までのRSIのグラフになります。
2021-08-25時点のRSIは40.01となり、50を下回るためサインとしては下落トレンドとなります。
また2021-08-20に底値を付けたときにはRSI値が29.78となり、30を切った所で反発をしている状態となります。
先述した200日移動平均線と合わせてこのRSI値が30を下回らないかも見ておくと良さそうです。
そしてMACDは2021-08-25時点で上昇トレンドの兆しがようやく見えてきた状態となります。
8月26日と8月27日のチャートの動き方次第では上にクロスすることが期待されます。
ただMACDが上にクロスしたとしても基準値となる0を超えない限りは強いサインとは言えないので、暫くは様子見する形となりそうです。
ポートフォリオに入れるのはありか
最後に今のペッパーフードサービスをポートフォリオに入れるのはありかについてですが、現状はDo Nothingで何もせず見守るのが一番良いと言うのが結論となります。
ペッパーフードサービスは今回の決算で赤字幅を縮小し投資家たちに多少の希望を与えてくれました。
しかしファンダメンタル的には割高感は否めずテクニカル分析的にも現状は下落トレンドににいます。
テクニカル分析を使った短期目線で言うと近々上昇トレンドに転換する可能性はありますが、ファンダメンタルで見たペッパーフードサービスはまだまだ不安が残る数値を出しているので、積極的に投資をするのはリスクが高いと言えます。
またペッパーフードサービスは配当金を出さず、株主には株主優待で還元するという方針を取っています。
つい先日出前館(2484)が株主優待を廃止したという事もあるので、もし仮にこれ以上ペッパーフードサービスの経営が悪化した場合は同じ様に優待を廃止する可能性も十分にあると思います。
そうなると配当金無し、株主優待無し、ファンダメンタルは懸念が残る数値では、リスクに見合ったリターンを得るのはかなり難しそうというのが個人的な見解となります。
今回の記事は以上となりますが、少しでも記事が良いなと思ったら下記のボタンをポチッとして応援お願いします✨