保険会社の中でも安定性と高利回りを誇る東京海上ホールディングスの2022年3月期第1四半期決算が公式ホームページにて公開されました。
今回の記事ではその決算書の情報を元に個人的な見解を入れつつ、今後の見通しについてまとめています。
最後には東京海上HDをポートフォリオに組み込むのはありかも記載しているので、ぜひ最後まで御覧ください。
東京海上HD 2022年3月期 第1四半期決算の数値
2022年3月期第1四半期の決算は良い決算内容でした。
連結業績
(%表示は、対前年同四半期増減率)
(▲はマイナス)
2022年3月期第1四半期 | 2021年3月期第1四半期 | |
---|---|---|
経常収益 | 1兆4554億2500万円 (2.9%) | 1兆4138億3400万円 (1.4%) |
経常利益 | 2168億5100万円 (55.1%) | 1397億7900万円 (▲6.9%) |
四半期利益 | 1597億2700万円 (61.0%) | 992億2500万円 (▲12.0%) |
1株辺り純利益 (EPS)
(▲はマイナス)
1株辺り四半期純利益 | |
---|---|
2022年3月期第1四半期 | 230.36円 |
2021年3月期第1四半期 | 142.14円 |
連結財政状態
総資産 | 純資産 | 自己資本比率 | |
---|---|---|---|
2022年3月期 第1四半期 | 26兆4908億1900万円 | 3兆9598億100万円 | 14.7% |
2021年3月期 | 25兆7653億 | 3兆7227億8000万円 | 14.2% |
連結業績予想
(▲はマイナス)
通期 | |
---|---|
経常利益 | 4440億円 |
純利益 | 3150億円 |
EPS | 454.30円 |
業績予想の修正は今回は無しです。
また第1四半期の利益だけで見ると予想から上振れそうではありますが、コロナの影響も垣間見て今の予想を維持するという様な印象を受けました。
現在の東京海上HDの株価
今回の決算は良かったとは言え、サプライズ(想定外)の様な内容がなかったので現状はそれほど株価に影響を与えていません。
株価は未来の期待値が織り込まれた状態になっているという事を改めて認識させられる状態でした。
また2021-08-07現在の株価は5,333円で配当利回りは4.03%となっています。
配当金はこれからも維持出来そうか
東京海上HDは配当利回り4%を超えるため、配当金目当てで投資している方も少なくないと思います。
配当金が今まで通り、または増配などが出来るような企業なのかを判断するには、利益の何%が配当金に回っているかを表す「配当性向」に注目するのが一番簡単です。
そして東京海上HDの2022年3月期の予定配当性向は47%となっています。
2022年3月期 | 47%(予想) |
---|---|
2021年3月期 | 99.22% |
2020年3月期 | 59.62% |
2019年3月期 | 62.87% |
2018年3月期 | 40.11% |
2012年から連続増配をしている東京海上HDは2021年のコロナ渦においても配当性向99%と言うギリギリのラインですら減配をしなかった銘柄です。
そして2022年は配当性向が例年の水準に戻りつつある事を見ると、今後も成長の柱となっている自動車保険や海外保険がある限りは安定した配当金を出してくれそうですね。
今後の東京海上HDの株価は上がるのか
先に結論を書いておくと、株価が5,000円を超える銘柄ではありますがファンダメンタル的にはまだまだ割安で、コロナが完全に収束すればコロナ前の水準である5,000円台後半までは上がるでしょう。
しかし保健事業という利益を大きく上げる様なビジネスモデルではないため、この銘柄から大きな利益(キャピタルゲイン)を得るのは難しい印象です。
ファンダメンタル分析
PERの目安は15倍、PBRとの目安は1倍が基準と言われている中、東京海上HDの予想PERは11.74倍、PBRは0.95倍となっており割安感がある銘柄となっています。
またROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)がそれぞれ10%と5%が基準言われている中、東京海上HDの直近のROEは5%〜8%を推移し、ROAは1%程度です。
一見低いので微妙なようには見えますが、東京海上HDの様な保険事業を営んでいる会社は利益を大きく上げるようなビジネスモデルでは無いため、この数値はプラスであれば個人的には問題ないと考えています。
テクニカル分析
2021年8月7日現在の株価は5,333円で200日移動平均線付近を推移しています。
決算を受けての株価は普段と特に代わり映えしませんでした。
これは恐らく先にも述べたように決算が株主の予想通りの内容だったためです。
またRSIは上昇トレンドと言われる50を上回る59.24でMACDも上昇トレンドなので、テクニカル分析で見たチャートは上昇トレンドになっていると言えます。
下記は2020年3月〜2021年8月現在までのRSIのグラフになります。
2020年3月はコロナで全体的な株価が大きく減少したタイミングで、RSIは8付近まで下げていますが、それ以降はほぼ30を割る事なく推移しています。
また上のラインで見るRSIとしては基本70を超える事も年に1回あるかどうかという感じになっています。
以上をまとめると現在は上昇トレンドにあるので、このままじわじわとあげる可能性はありつつも、RSIが70付近に到達していないか、MACが下落トレンドに入っていないかを注視して投資して行きたいですね。
ポートフォリオに入れるのはありか
最後に今の東京海上HDをポートフォリオに入れるのはありかについてですが、個人的には「あり」だと考えています。
ただし短期投資ではなく、長期目線で高配当株ポートフォリオの保険セクターとしてを考えています。
東京海上ホールディングスは2010年付近の株価2,400円から現在は2倍以上上げて5,300円付近を推移しています。
そのため長期的に見ればキャピタルゲインも十分に狙える銘柄ではあります。
しかしそれ以上にやはり注目したいのは配当利回り4%の高配当です。
コロナ渦においても減配する事なく、10年連続増配銘柄である東京海上ホールディングスはこれからも安定した配当金を出してくれることが期待出来ます。
1つだけ注意しておく点としては、東京海上ホールディングスの利益の多くは自動車保険による物なので、今後自動運転などが当たり前の世界になってくると事故件数が更に減少し、そもそ自動車保険が不要と判断される世界が来るかもしれません。
そうなってくると東京海上HDの売上はもろに打撃を受けるので注意しておきましょう。
これらの事を踏まえた上でポートフォリオに入れるかの最終的な判断はあなた自身で決めて行きましょう。
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